国 語 科
誠子代
石 川 田 川 山 口
信久
1国語科の本質について
私たちは国語科の本質を次のようにとらえている。
豊かな言語生活を営むことができること
学校教育における教科等のすべてが学習者の人間形成を目指すものであることはいうまでもな い。そして、国語科においては、豊かな言語生活を営むことができることが言語の教育を通して の人間形成につながると考えた。
我々にとって、言語生活を営むということは、言語としての国語を読む、書く、聞く、話すこ とはもちろんのこと、これらの言語活動を通して思考を深めたり、想像を膨らませたり、心を育 んでいくことを意味している。さらに、他者と言語を通して互いの立場や考えを尊重しながら、
コミュニケーションを持つということでもある。
したがって、豊かな言語生活を営むということは、言語を通して思考力、想像力、言語感覚、
豊かな心情を培うことであり、他者との関係のなかで豊かな人間性を育むことにつながると考える。
すなわち、学校教育において豊かな言語生活を営むことができるようになることは、一人一人 の人間性を形成するためにも、文化の継承・創造のためにも大切なことであり、それが、国語科 の本質であると考えた。
2 国 語 科 の 「 学 び 」 に つ い て
国語科で扱う内容は、大きく「話すこと・聞くこと」、「書 くこと」、「読むこと」、言語事項に分けられるが、国語科の 場合、その内容は、系統的・段階的であるとともに、螺旋的・
反 復 的 で あ る と こ ろ に 特 徴 が あ る 。 高
また、資質や能力の向上という点からは、様々な力が考えら内
れ る が 、 表 現 力 、 理 解 力 は 、 も ち ろ ん の こ と 、 コ ミ ュ ニ ケ ー 容
ション能力、思考力、想像力、言語感覚を重視したい。他に農
も 、 言 語 に つ い て の 関 心 ・ 意 欲 ・ 態 度 、 言 語 を 通 し て の 課 題 解 得 決力や情報収集選択力なども国語科において大切である。
内容の獲得が進めば進むほど、資質や能力が向上し、資質や低 能力が向上すればするほど、より高い内容の獲得力河能となる。
以上、これまで述べたように考えると、国語科を「学び」の 構造図に位置づけると、右図のようになるだろう。
3本質にもとづく基礎・基本について
上記の本質から国語科の基礎・基本を次のようにとらえた。
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、
、
資質や能力の向上 高 低
│ 国 語
国 語 を 適 切 に 表 現 し 正 確 に 理 解 す る こ と ま た そ れ を 基 に 伝 え 合 う 力 を 育 て る こ と 上記でとらえた「豊かな言語生活を営むことができる力や態度を培う」という本質に迫るために は、国語を適切に表現し正確に理解することや、それを基に伝え合う力を育てることが大切であ ると考えた。国語を表現するとは、国語で書く、話すことである。適切に表現するとは、まず、文字言語を 正しく書いたり、表記や語句に関するものを正しく書いたり、文法的に正しく書いたり、はっき りとした発音で話したりすることである。その上で、具体的な場面で目的に応じて、適切に書い
たり、話したりすることである。
また、国語を理解するとは、国語を読む、聞くことである。正確に理解するとは、まず、記号 としての文字言語を正しく読んだり、表記や語句に関するものを正しく認識したり、音声言語を 発音した通りに正しく聞くことである。その上で、具体的な場面で言語が表す内容を正しく読み
とったり、聞きとったりすることである。
このようなことができれば、国語による言語情報から思考したり想像したりしようとするとき に、より深い思考に入り込んだり、より豊かに想像したりすることが可能となる。また、言語に よって情報を発信しようとするとき意図したことがより適切に表現でき、うまく相手に伝えるこ
とができる。
適切に表現する力がつけば正確に理解する力がつく。また逆のことも可能である。表現する活動 や、理解する活動を通して、これらの力が培われていくのである。表現と理解は切り離されるも のではないのである。適切に表現することと正確に理解することを基盤に、人と人との関係の中 で、互いの立場や考えを尊重しながら言語で伝え合う能力を育成することが、豊かな言語生活を
営む力を培うことになるのである。
以上のことから、上記のことを基礎・基本としてとらえ本質に迫っていけると考えている。
4 単 元 を 構 想 す る に あ た っ て
国語科において、自己の「学び」を深めるとは、「主体的に言語と向き合い、課題意識を持ち 続けて学習し、自己の言語活動の変容を自覚し、その学習以外の場面でも生かしていけること」
ととらえる。
このようにして、一人一人の子どもがその子なりに言語生活に対する自信をつけていけば、本 質としてあげた「豊かな言語生活を営むことができること」にもつながっていくと考える。
以上のことを受け、次の視点に基づいて単元を構想していく。
(1)一人一人の言語活動への働きかけを促す
子どもたちの実態を把握し、「こんな力をつけてやりたい」という願いをもとに、単元が終
わった時の子どもの姿を想定したうえで教材を選ぶ。また、子どもの興味・関心をひく出会わせ方を工夫することで、子どもにとって必要感のある
言語活動になるようにしたい。
(2)子どもが自分なりにつかんだことを生かした授業展開を構想する
確かな国語力は、学ぶ主体者としての子ども自身が問題解決しようとすることで身についてい く。子どもの生活経験や学習経験を生かして言語と向き合うことのできる活動を取り入れ、つか んだことを生かした授業展開をする。そのために、自己学習の場を設定し、十分時間を確保し、
子どもが自分なりの方法で主体的に活動することができるよう心がける。
(3)お互いの考えを聴き合い話し合う場を設定する
一人一人が読みとったこと、考えたこと、根拠となることを聴き合い話し合い、練り上げてい
く活動を通して自分自身の読みとりや思考が高まっていくことになる。自分なりに読みとったこ とを様々な表現方法で聴き合い話し合うことによって新しい知識を得たり、暖昧だった考えが確 かになったりしてお互いの考えをさらに深めていくことができると考える。このような必要感のある話し合いを通して伝え合う力が育っていくと考える。
(4)自己の言語活動の変容を自覚するためのふりかえりの場を保障する
その単元で学習したことを終末にふりかえり、自分が得た内容や力を自覚し、お互い評価し合 うことは、次単元への意欲にもつながり、ひいては、これからの日常生活の中で起こるであろう 様々な言語活動の場の中に生きてくると考える。その際、書く活動を取り入れることによって、
学習の結果を目に見えるものにすることは、自分の学習過程をふりかえるときに自己の変容を自 覚し新たな意欲や自信につながっていくと考える。
− 1 2 −
5 実 践 例 − 2 年 一
(1)単元名順序に気をつけて読もう
一「たんぽぽのちえ」を通して−
(2)目標・たんぽぽが種を育て新しい仲間を増やしていくちえについて、順序に気をつけな がら事柄の変化とその理由をはっきりさせて読み取ることができる。
.読み取ったことを生かして、他の動植物のちえを調べ発表し合うことができる。
(3)指導にあたって
本単元における基礎・基本について
本教材「たんぽぽのちえ」は、子ども達の身近にあるたんぽぽを題材に取り上げ、たんぽぽの 生長という時間的順序に従って説明が展開されている。その中で、生物が生きていく為の営みと 種族保存のための本能としての「ちえ」について言及している。たんぽぽの様子(事実)とその理由 (抽象的な事柄)を読み分けることができ事柄の論理を考えるにのにふさわしい構成となっている。
児童は、身近であっても気づかずにいた事実(花が終わると軸を倒して種に栄養を貯えているこ と、落下傘のような綿毛を作って種を飛ばすこと、背を高くして種を飛ばすこと、湿り気の多い 日や雨ふりの日には綿毛の落下傘をすぼめること)を知り、驚きやさらなる興味を示しながら読ん でいき、自然の暹しさや不思議さに素直に感動するだろう。また、擬人化された表現が多いので より親しみを持って読み進むことができるだろう。
これまで子ども達は、いくつかの説明的文章を学んでおり、一年生では主に「違い」に着目し 書かれている内容を対比させながら読む活動を経験している。本単元では、「順序」に気をつけ ながら読むことを大切にしたいと考えている。つまり、たんぽぽの変化の様子を叙述をもとに正 確に理解することを大切にするのである。
段落冒頭の「二、三日たつと」など時間的単元計画総時数(14時間十課外)
順序を表す表現に着目し理解することは、
これまでの学習経験から比較的容易なこと と予想されるが、「だんだん」「やがて」
「そうして」「このころになると」などの 変 化 の 順 序 に か か わ っ た 表 現 は 読 み 取 り に くいだろう。そこで、挿絵を活用したりこ れまでの生活経験やたんぽぽ観察経験を想 起させたりしながら読み取っていきたい。
動作化も効果的であろう。また、本教材は 様 子 と そ の 理 由 が は っ き り と し た 構 成 に な っ て い る の で 、 「 な ぜ 〜 の で し ょ う 」
「〜のです」「〜からです」などの理由を 表す表現も大切に読み取らせたい。それに よってたんぽぽの「ちえ」が明確になりそ れらすべてが種族保存につながっているこ
とに気づくだろう。
順序に気をつけ変化と理由を明確にさせ な が ら 「 読 む こ と 」 は 「 話 す こ と ・ 聞 く こ と 」 や 「 書 く こ と 」 と も 関 連 し て い る 。 つ まり、このような読む力がつけば読み取っ た こ と を 説 明 し た り 書 い て ま と め た り す る 活 動 に 生 か さ れ て る の で あ る 。 相 手 に わ か る よ う に 順 序 を 考 え な が ら 話 す 力 や 説 明 的 文 章 の 構 成 力 や 表 現 力 、 さ ら に は 論 理 的 思 考力へとつながっていくと考える。
主な活動と内容
『甲=■守一■争●■■■■争守口。●■句q●.。■。●口中や。早●寺■●●。。.◆ロ。■ゆ●む●●
|学びを深めるために;
L̲‑.‑..‑...口・.ロ..画一.−..̲。.、°......、ロ.ワ............:
1「たんぽぽのちえ」を読む
・初発の感想を持つ
・たんぽぽの不思議さ(知恵)を見つけ学習の 見通しを持つ
・たんぽぽクイズを作る
2「たんぽぽクイズ」に答える為に、
詳しく読んでいく
・花と軸を休ませている様子と、そのわけを 読み取る
・綿毛を広げる様子とそのわけを読み取る
.倒れていた花の軸が起き上がり伸びていく 様子とそのわけを読み取る
.天気によって綿毛が開いたり閉じたりする 様子とそのわけを読み取る
・たんぽぽの生長の様子をまとめる
3たんぽぽの知恵について自分で読み取る
・いくつ知恵が書いてあるかな
・どんな知恵があるのか
4他の動植物の知恵について調べ友だちに発 表する
・他の読み物を読み、動植物の知恵を調べる
。調べたことを発表するための準備をする
・発表し合う
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伽.一
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│②④I
たんぽぽ博士になろう
以上述べたように本単元では、順序に気をつけて事象の変化とその理由を叙述に即して読み取 ることを基礎・基本と捉えている。また、本単元で培うことができる資質・能力としては以下の ことが考えられる。
たんぽぽクイズ作り→興味・関心・意欲 読み取り→理解力
話す・聞く.話し合う→表現力、伝え合う力、思考力 書く→情報収集力、表現力、思考力
「たんぽぽクイズ」を作ったり「たんぽぽ博士になってクイズに答えよう」という目的意識を 持ち主体的に読み進んでいけるような言語活動を組んでいくことで、主体的に学ぶ楽しさを味わ
いながら国語科の本質に迫れるものと考える。
学びを深めるために
①教材文からクイズ作りをし主体的な言語活動への働きかけを促す
身近な植物たんぽぽを素材にした教材なので、子ども達は興味を持ちながら読み進んでいける だろう。しかし、本教材には時間の経過をあらわす言葉や指示語、接続詞など、内容を確かに読 み取るための叙述が数多くあり、主述の関係もつかみにくい。そこで、「たんぽぽクイズを作ろ う」「たんぽぽ博士になってクイズに答えよう」と意欲づけを図り、叙述に目を向ける必要感を 持たせたいと考える。
②子どもの素朴な読みを生かした授業展開を構想する
子どもに確かな力をつけるためには、読めているところと読めていないところを明確にしなが ら学習活動を組んでいかなければならない。そのためには、子どもの課題意識をはっきりさせる こと、子どもが自分なりの考えを持つ時間を保障すること、教師がそれらをつかみ生かしていく ことが大切である。「たんぽぽクイズ」を作ったりクイズに対する自分なりの考えを持ったりす る時間を十分確保したいと考える。その中で、たんぽぽの変化の順序に気をつけているか、また 変化の理由についてどの程度読めているかをつかみ、より確かな読みができるように支援してい かなければならないと考える。
③気軽にお互いの考えを聴き合える場を設定する
自分なりに読み取ったことを自分の言葉で伝え合うことで、これまで漠然としていたことが はっきりしたり考えを修正したりすることができる。しかし本学級には、課題に対する自分なり の考えはあっても自信がなくみんなに伝えることができない子が多い。また、相手意識を持って 話したり聞いたりすることができず、読みが広がったり深まったりしないことが多い。そこで、
より多くの子に考えを出し合う機会を与え心理的な抵抗感をなくすために、4〜5人グループに よる聴き合いの場を設定したい。グループで聴き合ったことが全体の話し合いへの自信につな がっていくと考えている。
④自己の変容を自覚するためのふりかえりの場を保障する たんぽぽクイズに答えながら読み取ったことを「たんぽぽ博 士」になってまとめる時間を設定しふりかえりをさせたい。同時 に自分の考えを積極的に話せたかなど聴き合う活動においても自 己評価や相互評価の場を設ける。このようなふりかえりの場を可 能な限り設定していくことにより、自己の学びを自分自身で確認 す る こ と が で き 、 新 た な 追 求 意 欲 も 生 ま れ て く る と 考 え る 。 ま た、単元の終末に教材文から学んだことを生かして「○○のち え」を調べる場を設定することで、学びの成就感を味わうことが でき自信につながるであろう。
(4)本単元における授業の実際と考察
本実践を考察するにあたり、各学習場面におけるノートやワー クシート、授業中の発言、表情の変化、他とのかかわり、自己の 学びについて自己評価したふりかえりカードなどをポートフォリ オし、一人一人に自らの学びの変容を自覚させたいと考えた。本
− 1 4 −
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A児のたんぽぽ探検の記録
項ではA児を抽出し、A児の変容を中心に他の子ども達の様子と照らし合わせながら考察したい。
生活科のI春見つけ」の授業で、他の子ども達はたんぽぽに限らず様々な春の花を見つけている のに、A児は一人で体育館横の綿毛になっているたんぽぽを観察し綿毛を飛ばして遊んでいた。
教師が声をかけるとたどたどしいながらも力強くたんぽぽの綿毛のことを話し始め「Aさんたん ぽぽ博士みたいだね」と言うとうれしそうにしていた。A児は言語を通して理解することや思考 することがやや苦手である。そのために表現することが好きでなく授業中の発言も少ない。本単 元では、これほどたんぽぽに興味を持っているA児が、教材文「たんぽぽのちえ」に出会い、他
と の か か わ り ふりかえりカード
で 行 わ れ る 様 々 な 言 語 活 動 の 中 で 、 叙 述に着目し、
言 語 を 通 し て 理 解 す る 力 や 思考する力、
表 現 す る 力 が 、 ど の よ う に 変 容 す る か 追 っ て い き た
い。
本単元におけるA児のふりかえりカード(資料1)
① 教 材 文 と の 出 会 い
たんぽぽを十分に観察し、見つけたことを発表し合ったあとで「たんぽぽ博士になれそうだ」
という話をした後、「うえむらとしおはかせ」と板書すると、口々に「知ってるよ」「教科書 に、たんぽぽのちえがあったよ」という声が上がった。それから本文を一読し初発の感想をノー
トにまとめた。
ほとんどの子どもがたんぽぽの変化の様子に驚き、分かったことを列記していた。その際書か れ て い る 順 序 を 意 識 し て 感 想 を 書 い て い る 子 は 4 人 ほ ど い る が 、 ほ
とんどは興味をもったことから書き始めていた。変化の様子とその 理由をつなげて読んでいる子も6人いた。また、かなりの子が筆者 に つ い て 言 及 し て い た の で 、 「 み ん な も 植 村 博 士 み た い 書 け る か な」と投げかけたところ、「ありにもちえがあるんだよ」「ひまわ り の こ と も 知 っ て い る よ 」 と 次 々 と 声 が 上 が り 、 こ こ で 書 く 活 動 へ つながる学習の見通しを持つことができた。
A児は、生活科でのたんぽぽ探しを強く引きずっており、自分が観 察した種の様子や綿毛が飛んでしまった後の様子が挿絵にあったこ とがとてもうれしかったようだった。しかし、本文については断片 的にしかたんぽぽの様子を読めていなかった。「雨がふったら」と いう記述から、綿毛が落下傘みたいということに興味を持った様子 が伺えるが、「らつかさん」のイメージがはっきりつかめず天候に よって変化することは意識していないようである。
② ク イ ズ 作 り で 主 体 的 な 言 語 活 動 を 促 す A 児 の 初 発 の 感 想 クイズ作りの第一段階は教師の作ったクイズに答えることから始
めた(5月24日)。「たんぽぽの花はいつ咲きますか」「たんぽぽの花はどんな花ですか」など簡 単な問題を提示し、教材文のどこに何と書いてあるかを話し合った。この活動で、クイズ作りに ついて理解し自分たちも作れそうだという意欲を持ったようである。
A児は第一次クイズ作りで8問のクイズを作った(5月25日)。そのうち5問が綿毛に関するク
月日 恥 宝ダ 軌
形 ヅ %
らゆ‐髪 え " 先 龍 % 錨
今日のお勉強は楽しかったよ ○
。
○。 0 勘 衝
。畷 繩
○ ⑫自分の考えや答えをもてたよ
○ △ ○ ○ 、
亀 , 鐘 喧
。噂 .
○ @自分の考えをグループで鱈せたよ ○ ○ 、 ○
動
△ ⑤紗 衝
、自分の考えをみんなに岳せたよ
△ /
△X
○識
▲。 /
○ △ △。
友だちの砥をさいごまで園けたよ
⑨
/ 、 、 △ 、⑥
○ ⑤ ○ 。 ○ ○友だちの魁を聞いて考えがふえたよ ○ × ○ 〃 △
.
、 △ 0 、 。 、 ○都んばっていたむ友だちはだれでした か
10
山趣
4
鞠蕊
蝿 蝋
G1Jq口由dごj釦0皿¥ふん ■q二4″凸 州争 嘩榊
知冬人
酔壁
人
繊維蝿
篭 蕗
上か耳n盛生な
イズであることから、たんぼ ぽ探しの経験がまだまだ意識 A児の作ったクイズ
/ 、
(a)なぜ、たんぽぽはさいしょみどりなのでしょう
(b)なぜ、たんぽぽの草はたんぽぽがしぼんだらたおれてし
ま う の か
(c)どうして二、三日たつとその花が黒っぽくなるのか (d)なぜ墨̲わ.た毛は丸い̲の血
(e)な萱1‑わた壬睦風力蹴童鬼とばな瞳QZCiLf.ょ亘.
(f)な迂墜̲、わた壬健晴tLなき主.と瞳な処の重Lf̲よ。.
(9)な感..̲わた壬Iま雨麓と丈ぼ画の逆
(h)なぜ桑…た血ほぼQたれはLfまL<まなの血
、 ノ
,の中に強く残っていることが 伺える。しかし、初発の感想 での読み誤りはこの段階では しだいに修正され、少しずつ 叙 述 に 目 が む く よ う に な っ て きたようである。クイズ作り を楽しんでいるA児に(a)(d)(h)の クイズについて答えはどこに 書いてあるのか尋ねたところ
「さし絵が答えだよ」という '返事がすぐにかえってきた。
次 に 、 「 綿 毛 ク イ ズ 」 の 場 面を例にA児の作った(a)〜(h)8問がそれぞれ小さな短冊に書かれグループで検討される過程につ
いて考察したい(6月2日)。A児のグループでは、他の子から出された「わた毛が広がるとどのよう
になるか」「しめりけの多い日や雨ふりの日に、わた毛のらっかさんはどうなるのか」という問題は答えがすぐに分かってしまうからという理由で取り上げられなかった。その話し合いの中で A児は「本当だ。簡単すぎるね」と言ってはいるが実際は分かっているのかはっきりしなかっ た。そこで、「らっかさんってどんなものかな」と尋ねてみた。A児は24ページの綿毛の絵を
さして叙述の「いつぱいにひらいて」や「すぼんで」にも目を向けながら「パラシュートのことだよ」「晴れた日はここがひらいて、雨ふりの日はすぼんですぐおちるんだよ」と説明してくれ
だりする変化やその理由に目を付けた(f)と(9)をあわせて「わた毛を 6︑ たよ︒ぽ4もがんぱ︒た上︒穴朧 つかれたよ︒万んなで力堪合わせ 圃ご力とてもおもし弓かフ穴と.1v止 分日の20かん8瞳吟じかん8伽
111
わだもクイズ輔っ41︲し卜よ;︶たさんと遠田さんがクイズ埴かい
たよ︒色いざに︑国でノート膿︑田幽だZと極かVたよ・
どうやってとばすのでしょう」というクイズに決まった。「どんなふう に」が「どうやって」にかわったのはA児の作った(f)(9)が生かされた結 果である。
何とか難しい問題を作ろうとして自分の生活経験や本で得た知識を生
かしたクイズを考えていたA児だが、自分一人ではうまくクイズをまと めることができなかった。グループで話し合う中で、挿絵にこだわり過 ぎていることも他児から指摘されたようであるが、「いい問題だね」「Aさんの問題が使えそうだよ」と認められたことで自信を持ったよう である。その授業のふりかえりカードではほとんどの項目に花丸をつ け、「がんばっていたお友達は」という欄に「自分」と書き、授業が楽 しかったとふりかえっていた。少しずつ自己の変容を意識し始めたA児
A児のノート
の様子が伺える(資料1参照)。また、グループの全員が「がんばって
いたお友達は?」の欄にA児の名をあげ変容を認めていた。全体の中では自分の考えを出すことは
難しいA児だが、グループとのかかわりの中で気軽に自己表出ができたようである。
クイズを作る活動は、クイズに答える活動よりも児童にとっては真剣に言語に向き合う時間と
なったようである。良い問題,難しい問題を作ろうと細かな叙述に着目したり教材文を何度も何 度も読み返したりする姿が見られた。− 1 6 −
③クイズに答えながら意欲的に内容を読み取る
各グループのクイズが博士になりきって全体に出題され、それに答える活動を通して読みが深 まっていくと予想していたが、実際の授業では、子どものクイズの表現が分かりにくくクイズの 整理と理解に時間がかかり効果的な読み深めができたとは言えなかった。しかし、クイズに対す るこだわりがそれぞれにあり、同時に答えについてもこだわっている姿が主体的な言語活動につ ながっていったように思う。
この項では、前出の「綿毛クイズ」について話し合った場面(6
認
月3日、6月6日)について紹介したい。
わた毛クイズについて各グループから出されたものを少しずつ 整理していったところ、次の2つにまとめられた。
・わた毛はどうやってたねを遠くまでとばすのでしょう
・たんぽぽはどうやってわた毛になるのでしょう
・わた毛はどうやってたねを遠くまでとばすのでしょう .たんぽぽはどうやってわた毛になるのでしょう
クイズを出題する様子
前者は、A児のグループから出されたものである。初めはみん
なから答えがすぐ分かって簡単すぎると言われたが出題したA児から「たねを遠くまでとばすく ふうがいろいろあるからそれを考えてください」という付け加えがありみんなで考えることに なった。普段あまり発言しないA児だがグループで話し合って答えがはっきりしているので、自 分のこだわりに自信を持ち全体の場で話すことができたのだろう。
後者は、綿毛のでき方を尋ねているクイズである。答えは1段落から4段落の中にある。この クイズを話し合うことでたんぽぽの様子の変化を表す言葉「だんだん」「そうして」「こうし て」「やがて」「できてきます」を押さえながら整理することができた。話し合いの中で出され た意見を聴き合うことで、わた毛ができる様子について理解を深めることができた。B児は綿毛が すぐにできるのではなく種が太ってからができることにこだわっていた。C児は「できます」と
︑﹀・砂︲ゥや tて熊ん礒搦は噂たれ詞融磨沁習沫入らざるのです旬・施鴎 玉がたり■7L宅由令/か脈長い〃くぢずれ
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「できてきます」との違いにこだわっていた。また、ほとん どの児童がD児のように順序に気を付けながらまとめることが できた。中には絵や矢印をつかって分かりやすくまとめよう としている子もいた。
変化の順序についてはこれまであまり意識していなかったA 児であるが、B,C、D児の意見や他の子のノートの書き方を 参考にして、たんぽぽの変化の様子を分かりやすく順番をつ けてノートにまとめ、さらに絵で変化の様子を説明しようと していた。単元に入る前や入って間もないころのノートにく らべると大きな変容がみられる。
A児のノート 迦
甑ま
教材文の読み取りが終わって、これまでの自己の学びを次 のように振り返っている。
④書く活動で自分の学びを振り返る
教材文で読み取りで分かったことをノートに書く活動を毎 時間取り入れたことで、A児の文章表現に変化がみられた。
順序に気を付けて書こうという意識が出てきたこと、文末表 現に「〜のです」という断定的なものや「〜からです」とい
う理由を説明する表現がふえてきたことである。毎日の日記 の中でもこれらの表現が増えてきた。また、書くことに対す る苦手意識がなくなってきたことも大きな変化であろう。
単元の終わりに、これまでの学びを生かして自分なりの
「○○のちえ」を書いてみる活動を設定した。書き始める前
ま︑Z陣︑かやがへた毎たけどおぺ
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読み取りを終わった時のA児のノート
に、筆者の植村博士からヒントをもらおうという課題でもう一度全体で振り返ってみた。子ども なりに今までの学びの中から次のようなポイントを指摘した。
・いつのことか分かるように書く・色や大きさも書くといい。形は「〜みたいに」をつかう
。 順 番 を 分 か り や す く 書 く ・ 絵 を 入 れ る と 分 か り や す い
。「なぜこんなことをするのでしょうか」をつかって書くと知恵のわけが分かりやすくなる
.答えは「〜のです」「〜からです」を使う
こ れ ら の ポ イ ン ト を 教 室 に 掲 示 し 、 意 識 さ せ な が ら 書 く 活 動 へ と 入 っ た 。 A 児 の 書 い た
「ありのちえ」には全体で話 し合ったポイントをすべてふ くんでいるとは言えないが、
読 み 取 っ た こ と を 生 か そ う と している様子は伺える。
以上、A児の変容を中心に 考察を進めてきた。A児は本 単元で少しずつ叙述に着目し て 読 む こ と が で き る よ う に
〕になった。A児の変容を追っ
A児の書いた「ありのちえ」 て 読 む こ と が で き る よ う に なってきたし積極的に発言することが多くなり書く活動にも意欲的になった。A児の変容を追っ ていく中ではっきりしたことについて述べたい。
アクイズ形式で読み取りを進めていったことで、言語を通して理解したり思考したり表現し たりすることが苦手な子であっても主体的に言語と向き合い意欲的に取り組むことができ た。とくにクイズ作りの過程が主体的な言語活動につながった。
イ小集団での話し合いの場を取り入れたことで、話すことに抵抗感のある子どもも気軽に互 いの思いを表出でき、読みが深まった。
ウー人一人のふりかえりや授業の様子を細かにポートフォリオしていくことで、子どもの素
朴な読みを探ることができた。読めていない部分読み誤っている部分が見えてくると、そ
れを生かした授業展開や支援を行うことができた。今年度は、子どもの意識や変容の自覚を探る手立てとしてふりかえりの場で書く活動を多く取 り入れてきた。それは自分の考えを整理したりまとめたりする場としても有効であった。しか し、子どもが自己の変容をどの程度意識できたかについては分からない。ただ単に分かったこと をまとめたり、学びの様子を振り返ったりするだけでなく、何をどのように書かせるかについて のさらなる検討が今後大切になってくると考える。
− 1 8 −
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